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今週のブラディオン / 楽屋裏
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第12回 「日本の現状について」
みなさんこんにちは。『今週のブラディオン!』今日も、平穏無事に始まりました……
カヱデどうした? 今日は、いつにも増して表情が硬いぞ?
いつもは、そんな重々しい始まりじゃないだろ?
緊張しております。
なにしろ今日は、超が付くほど特別なゲストにお越し頂いておりますので……
特別ゲストだと?
おっほん。げすととは、わらわのことじゃ。
そうです。本日のゲストは、当今皇尊読子陛下であらせられます。
こういう番組に出るのは、はじめてじゃ。
みなのものよろしく頼むぞ。
……なんだこのガキは?
陛下に向かって、そんな口の利き方はいけないであります!
変わった名前だな。……当今皇尊読子。どこまでが名字で、どこからが名前なんだ?
三尉まで……。
ご存じの通り、読子陛下はやんごとなき身分のお方であらせられます。
名字なんてありません。
そう堅苦しくなるでない。
わらわのことは、読子……と呼び捨てにしてくれて構わん。
読子か……。
そのまま呼び捨てにすると、そこにいるカヱデが怖い顔をするので、せめて陛下とつけよう。
で、読子陛下。今日はどういった用件で?
うむ、実はな。
今日は、みんなに我が国が置かれている立場を知らせたくて、はるばるやってきたのじゃ。
三年前の戦争で敗北してから……我が日本国は、『エルサレム条約』に批准する枢要国家聯合(総合)の支配下に置かれています。嘆かわしいことであります。
そうなのじゃ。
先の大戦の戦勝国グループである聯合が派遣した軍……『機構軍』が、我が国のあちこちに駐留し、支配を続けておる。
他国の軍に自由を奪われているというわけか。
敗北し、主権を奪われた国というものは、情けないものだな。
国内の政治は、聯合が作った『極東方面統治委員会』によって監視されておる。
一応、日本国内の行政は、日本人が担当しておるが、統治委員会の決定がなければ、
なにも決められん。お飾りの政権じゃ……
敗戦からの復興……。
そして真の独立を勝ち取るには、極東方面統治委員会の支配から脱却し、
機構軍を全て追い出さなければいけません。
む? いかんカヱデ! 机の下に伏せるのじゃ!
は……はい!?
……どうしたいきなり?
なにも起こってないぞ?
突然、驚かせてすまん。ちょっとばかり、スパイ映画の真似事をしてみたかったのよ。
へ……陛下のいたずら好きは、昔からお変わりないようで……
大変だな、子供のお守りも。
大変だなんて!
……陛下のお相手をさせていただくのは、光栄なことであります。
それで、皇尊である読子陛下はどうされたいのですか?
機構軍をこの国から追い出したいのか。
それとも、このまま植民地的待遇に甘んじていたいのか……どちらです?
難しいのう……。わらわ一人では、決められん問題じゃ。
陛下、ご意志を軽々しく打ち明けてはなりません。
この番組は、誰が聴いているのか、わからないのですから。
そうか……。まあ正直、わらわには政治のことはよくわからん。
どうしたいか選ぶのは、民たちじゃ。
(上手く逃げたな?)
そうですね。この国の未来をどうするのか……それは、我々国民一人ひとりの問題であります。 陛下に全てを押しつけたりはいたしません!
うむ。
果たして、国民はなにを望んでいるのか……
また、この小さな国家元首様はどうなるのやら……
それは、ゲームをプレイしてのお楽しみだな。
ふう。やれやれ……。最近、この楽屋裏で過ごすのが当り前になってきたな。
こうして待つのも、仕事でありますから。
だが、なにもせずにぼーっと待っているのも退屈だな。
それでだ。先週の話の続きではないのだが、こういうものを用意した。
そ……それは、いまナウなヤングにバカうけのカードゲーム……『宇野』でありますね!?
……
部下たちが、このカードで楽しそうに遊んでいるのをみつけて、奪い取ってきた。
暇を潰すにはちょうどいいだろう。
ナイスアイデアであります。早速やりましょう!
なに? おれもやるのか?
年の瀬の暇な時期には、こたつに入ってじっくりカードで遊ぶ。これが定番だ。
そうはいっても、おれはこんなカードゲームやったことないぞ?
第一面倒だ。お前ら二人でやってろよ。
小官が教えて差し上げますので安心してください。
やればきっと夢中になりますから。
まずは……全員に7枚ずつカードを配る。
残りのカードは、中央の場に置いておく。そして1枚捲る。
では小官から、時計回りで……赤ですので赤の6を切ります!
ではわたしは黄色の6と青の6だ! 直人、青だぞ?
あ……青? この青いカードを出せばいいのか?
7のカードでありますか? では、小官はスキップカードを使います。
なに!? わたしを飛ばすだと?
え? またおれか!?
えーっと……7はもうないし、他の青いカードは……これだ!
では小官はリバースカードを使います!
逆回りですので、三尉どうぞ!
なぬ!? また、わたしはカードを出せないのか!?
えっと……なにを出せばいいのか……青のカードは、これしかないな……
ほう? ドロ2か……。ふふふっ、実はな、わたしもドロ2カードを持っているのだ!
喰らえ、カヱデお返しだ!
甘いであります! ドロ2カードは、小官も持っています!
んが!? ってことは、おれは6枚取らなきゃいけないのか?
残念だったな直人。
お前に泥を被せるのは気が進まんが、これも勝負だ。
くそう! 単なるカードゲームなのに腹が立つ!
だが、先に叩き潰しておくのは、カヱデ貴様だ!
喰らえ、ドロ4!
ふっふっふっ!
ドロ4カードを持っていない小官だと思いましたか!?
なに? まさか貴様――ッ
秘儀、ドロ4重ね!
ぬがぁ! 今度は8枚も取らされるのか!
おれの一方的な負けじゃないか!
直人……それは貴様の未熟さが招いた結果だ。
素直に受け止めろ。
くそう……おれの番よ、早くこい!
次こそ、こいつを紫音にぶつけてやる……
(なんだかんだで、三尉が一番熱くなってます……)
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