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今週のブラディオン / 楽屋裏
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第13回 「ノーマルについて」
はじまりました。『今週のブラディオン!』 今日は第13回目でありますね。
今日はいつもの感じだな。特別ゲストはいないのか?
そのようですわねー
なっ!? ハイム、貴様いつの間に? 誰だこいつをスタジオに入れたのは?
あ~ら、そんなゴキブリみたいな扱いしなくてもいいじゃないのよ。
私は、この番組のプロデューサーに正式なゲストとして呼ばれたのよ?
なんだと~? この番組のプロデューサーとやらは正気か?
いま確認したところ、どうやら間違いないようであります。
こんなところで喧嘩するつもりはないですわ。
私はゲスト。そして貴方たちは、この番組のホスト。
お互いの立場を弁えた行動を取りましょう。ね? 紫音ちゃんっ!
貴様にちゃん付けされると虫酸が走る。
もう二度と、その呼び方はするな。
ええ、わかったわ。紫音ちゃ~ん!
貴様、表に出ろ!
まあまあ、警部。ここは抑えて下さい。
ハイムさんが仰るとおり、ゲストに暴力は禁物であります。 ここは穏便にいきましょう。
カヱデがそういうなら……にしても、直人がここにいなくてよかった。
奴がいたら、ただでは済まなかっただろうな。幸運を神に感謝しろ。
あら、直人ちゃんなら、いま私の足元で眠ってるわよ
なんだと?
……すやあ
薬で眠らされているであります!
この直人ちゃんは、今日の出演料として持って帰らせてもらいますわね。
家に持って帰ってから、ゆっくりと料理させてもらいますので。
それはいけません!
貴様! 料理とは、どういう意味だ!?
直人は、獲れたての海産物ではないのだぞ
そりゃあもう、あれやこれや。
裏返したり、ぱかっと開いたりと色々させてもらいますわ。
もちろん最後の仕上げは……うふふふふ。
なんという怪しい笑い。これは三尉の身が危ないであります。
直人、目を覚ませ!
正月早々貞操を失う羽目になっていいのか?
私の睡眠薬は効果抜群。当分、目覚めないでしょうね。
それはともかく、せっかく私がゲストに来てるのですから、もっと楽しいお話をしましょうよ。
楽しいお話とは、なんでしょうか?
もちろん、人間こと『ノーマル』たちと私たち『アナザー』との違いですわ。
人間は人間であります。 ノーマルやアナザーという区別はないと思いますが……
ふふふ、まことにノーマルらしい回答ですわね?
自分たちが、常に世界の支配者だと思っているような……その思いあがり。
それを戒めるために我々ネフィリムがいるのですわ。
はあ、いまいち意味がわかりませんが……。
貴方たち、アナザーと呼ばれる人たちと小官たちはどう違うのでありますか?
それはわたしが教えてやろう。ノーマルとアナザーの違いとはなにか……それは、全てだ。
肉体を形作っている根本的な構造からして違うのだ。
そうでありましょうか?
こうして見比べてみても、小官たちと警部たちに大きな違いはないように思えますが……
いまこうしてみえているものが全てではないのですわ。
それはわかっているつもりであります。
この問題は、根深い。一度に説明するには時間が足りん。
続きは、次週へ持ち越しだ。
次までに直人ちゃんが目覚めればいいですわね。
ああ、そうでした。三尉、起きてください。
こんなところで寝てると、風邪を引きますであります!
そういう問題ではないだろうが……
はあ……やってしまいました。
どうしたカヱデ? また、なにかやらかしたの?
実は……お正月休みの間、色々食べ過ぎてしまって……その体重が……
増えたのか? どのぐらい増えたんだ?
に……三キロぐらいであります。
なんだその最初の『に』というのは?
まさか、増えた体重を誤魔化そうとしたのか?
そんなわけないであります!
大体二キロから三キロの間ぐらい、微増してしまったといいたかったのであります。
微増?
こらこら、言葉のトリックで被害を小さくみせようとするな。
体重が三キロも増えたことのどこが『微増』なのだ?
カヱデの体格で三キロは、相当な増量だぞ?
はっきりと『わたしはデブになりました』と認めろ!
そんな! それは酷いであります、小官はまだデブではありません!
そんな風に自分に甘い事ばかりいってるから、正月太りなどするのだ。
しっかり現実を受け止めて、心を入れ替えろ!
うううっ……なにもいい返せないのが辛いところであります。
気の緩みは肉体のたるみに繋がる……わたしのこの言葉、覚えておけよ?
はい! 気の緩みは、肉体のたるみであります!
この言葉を忘れずに、明日からのダイエットに挑むであります!
もう一声足りないな……。カヱデ、さっきわたしはなんといった。
しっかり現実を受け止めろといわなかったか?
はっ。そうでありました。小官は、デブになりました。だから痩せるであります!
うむ。よろしい! ダイエット頑張れ!
その気合いをもっと別のところに使え、といいたいところだが……。ん?
そういう紫音も、ちょっと体形が変わったんじゃないのか?
はあ? なにをいう。わたしは、正月前となにも変わっていないぞ?
なんだか、以前よりも顎のラインが丸くなったよな……。
そういえば紫音も、カヱデに負けじと正月はだらけた生活を送っていたな?
ははっ、なにを馬鹿なことを……。
わたしは日頃から自分の体調の管理には万全を期している。
少しぐらいだらけていたからといって、そう簡単に太るわけがない。
そういうのなら、体重計に乗ってみろ。カヱデ……
はい! ここに用意しているであります!
なにをする……? やめろ! わたしは、太ってなどいない!
お正月に……駄菓子を食べ過ぎてなど……断じてない!
それだけ自信があるなら、体重を計ってみればいいじゃないか。
ほら、早くしろ。
くっ……直人はわたしを追い込もうというのか?
くそ、こうなったら……うおおおおおっ!
バリーン!
ガラスを突き破って逃げたであります!
なにもそこまで必死になって逃げなくても……。
まあいい、面白そうだからあとを追おう!
承知であります!
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